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Posted by Dr.wakasagi on --.--

師弟考~弟子への手紙・そのいち~

Category : 駄考
2012年6月3日夜、引退した小説書きである私に弟子が出来ました。
驚いたことに、弟子は若い女性です。
正直、小説のジャンルとしてもっとも技術的な部分を伝授しにくいと思われる『スラップスティック』(注1)使いの私が、弟子をとることになるとは考えたこともありませんでした。
また、弟子をとるつもりもありませんでした。
ましてや女性の弟子など、あり得ないことだろうと考えておりました。
なお、弟子が「女性」であることについて驚きを強調したのは、私が男尊女卑の信奉者だという訳ではなく、
女性は無意識のうちに文章を美麗に飾り立ててしまう傾向が強く、
それがスラップスティックの最大の特性である
とんでもない方向からの切り口

を覆い隠してしまう場合が多いと考えていたからです。
また、基本的に情景描写能力が高い、『文章が上手い』小説書きもこのジャンルには一般的に不向きです。
彼らの文章は構成がしっかりしており、脳裏にはその映像が具体的にイメージできるのですが、
スラップスティックには、
二人の剣豪によるシリアスな決闘のクライマックスに、
画面外から飛んできた生魚が二人の後頭部を直撃する

と、いうような物語の根幹をも破壊する思い切りの良さが必須であって、
完全に遊びのない完成された文章は、その条件を阻害してしまうのです。

かと言って、
それなら文章が下手なやつほどスラップスティックが書けるのか?
と、いうのもそれはやっぱり無理な話で、
とんでもない方向に刃を振るうスラップスティックこそ、
実は明確な異常状況を煙に巻くセンスが必要であって、

下手な物書きではあっという間に物語が破綻するだろうと私は考えます。

だから、私が弟子を取ることはあり得ないと考えていたのです。
こういう特殊な、
音楽のジャンルに例えれば『プログレッシブ・ロック』のようなこのジャンルで、
私の愛するスラップスティックを書け、なおかつその切り口が私が感心するほど破天荒で面白く、
それでいて、
『氷原先生は私のお師匠様です!』
などと真面目に言ってくれる、竹の子書房のホープと言ってもよい一番脂の乗った美味しいところ、
窓凛嬢という稀有な存在と出会わなければ、一生弟子など取らずに済むはずでした。

……かわいいよねぇ、窓凛は。
正直なところ、「氷原先生の弟子になれて羨ましいね」と彼女が誰かに言われるよりも、
「窓凛を弟子に出来て羨ましいなあ、氷原さんは」
と、私が誰かに言われるほうがずっと多いだろうと思うぞ(笑)。

彼女を弟子にしたいと思っている竹の子書房の物書きは、一人や二人じゃ済まないだろうからな。
だが、もう遅い。
楠原笑美より続く一門の由緒正しき『原』の一字を与えたからには、
また私と師弟の盃(注2)を交わすからには、
窓原凛という小説書きを、立派なスラップスティック書きにしてみたいものだと私は思う。
いや、それで別に商売として小説を書けというのではなく、
ただ単に、彼女の書いたもので私が腹を抱えて笑い、
「これは間違いなく私の弟子だ! 氷原が愛したスラップスティックだ!」
そのように私と、そして彼女がそう思えればそれで充分だと思う。

以前、彼女はこう言っていた。
「氷原さんの小説を読んで、
私でも書けるかも知れないと思って書いてみたら書けました」

うん、そうなんだ。そのとおりなんだ。
スラップスティックは、誰かに教わって書けるものじゃない。
状況をどのようにぶった切るか。
そのセンスがないヤツに、スラップスティックは書けんのだ。

「私でも書けるかも」と思うヤツはたくさんいるだろうが、
「書いてみたら書けました」というヤツはほとんどいない。ましてや、それが面白いのはほとんどあり得ない。
窓原凛には、そのセンスがある。
だが、すでに言ったようにセンスというのは教えて身につくものではないのだ。
だから私は、この弟子に私のスラップスティック哲学そのものをぶつけてやろうと思う。
その中から良いと思うものを拾いたまえ!

なお、この手紙は公開書簡とする。
この稿、長くなると思いますので伝えたいことがある限り断続的に続けます(注3)。


(注1) Slapstick
直訳すると叩く(スラップ)棒(スティック)。
もともとはアメリカの道化芝居で相手をひっぱたくときに使われた、先がふたつに割れた棒のこと。
(音は大きいがあまり痛くない、日本でいうハリセンみたいなもの)
体を使ったギャグ。ドタバタ喜劇などとも訳される。

(注2) 師弟の盃
最初、『師弟の契りを結ぶ』と書こうとしたが、言葉の響きが何かいやらしい感じがしたのでやめておいた。
女の子を弟子にとると、色々と気を遣う。

(注3) 長くなるので続けます
「楠原一門は弟子をとっても放りっぱなし」と私の師匠も私も言いましたが、
そういいつつ、実は私の師匠も私も、放りっぱなしにしておいたことなど一度たりともありません。

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Posted by Dr.wakasagi on 06.2012   1 comments   0 trackback

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2012.11.21 14:32 | | # [edit]


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プロフィール

Dr.wakasagi

Author:Dr.wakasagi
氷原公魚と申します。
引退した物書きですが、電子書籍作家として絶賛復活中。
電子書籍製作集団『竹の子書房』
第一製作部ラノベ課に所属しております。

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